私が担当しています管理者解任請求訴訟で大阪高等裁判所の判決が出ました
見事なまでの一審判決の踏襲で控訴棄却つまり解任は理由がないというものでした。
グチになりますが、読んでください。
裁判所は結論を考えるところです。請求を認めることが妥当なのか、認めないほうが良いのか。いろんな事件がありますがその事件に応じた判断をします。
管理者解任の今回の事件についても裁判所は解任を認めないほうが良いのだと考えたのでしょう。そのうえで合理的な理由をつけることになるのです。
ところが、高裁の判決を見ても合理的な理由はありません。言い出したら切りがありません。
判決内容を少し紹介します
高裁で新たに主張したものに区隔壁の工事があります。つまり管理者は区分所有者の要請を受けて区隔壁の解体と入口の変更工事を承認したことが不適正な行為であり共用部分を損壊させたことを解任事由の一つに挙げたのです。
区分所有建物において区隔壁は専有部分と共用部分の間にあって専有部分を隔するものです。そして専有部分の範囲は壁の上塗り説が通説となっています。こんなことは区分所有建物の登記実務においても当たり前のことです。この主張について管理者側は区隔壁は専有部分であるから工事をするのは差支えがないとして承認したと言っているのです。この管理者の言い分を高裁は認めたのです。区隔壁がどういうものかという点については判断せずに、こちらの主張は理由がないということでした。
感じた事
今回の事件は解任事由として挙げたものに、管理者も区分所有権を有しているのですが長年その部分の管理費を支払っていないことがあります。この点については管理規約の解釈として特定の者に対して管理費を支払わな区とも良いという判断をしてこちらの主張を否定しました。エッ何で?管理規約にそんなことは書いてませんよと言っても聞く耳もたずです。マンションの法律や規約のこと分ってんの?です。
マンションの事件は増えてきています。裁判官すべてが精通しているとは思いません。裁判所にマンションの専門部か集中部を置く必要があるのではないでしょうか。裁判官のあたりはずれがあります。そういう私ら弁護士にもあたりはずれはあります。おそらく事件で負ければ依頼者はこの弁護士ははずれやったと思うでしょうね。
今回はグチを聞いていただきありがとうございました。