管理会社の業務について

管理会社の業務を確認しましょう

私のブログは分譲マンションに関するものです。マンションと言えば分譲マンションのことを指しているということは今日一般的になっていると思います。
しかし、私がマンション問題にかかわった頃(昭和60年ころ)は賃貸マンションとの区別ができていなかったものです。電話での相談会をしたときに相談者の4割くらいが賃貸マンションの賃借人からの相談でした。
賃貸マンションの管理は大家さんが基本でその大家さんの委託を受けた管理会社が家賃の集金や建物の修理、それに居住者間のもめごとを調整するなど、建物と居住者にかかわることが普通でした。
一般の方には、管理会社のイメージとしてこの賃貸マンションのそれが現在も残っているという感じを強く受けています。
そんな事例として、隣人による嫌がらせについて管理員に救いを求めたり、上階からの騒音がひどいので注意をしてほしいと管理員に頼んだりといったことがあります。管理員がマンションでの生活を守ってくれる人だと考えていることが基本にあると思います。
しかしこの考え方は違うのです。
管理員は管理組合との管理委託契約に基づく管理員業務を履行する立場にいるのです。その業務の中には入居者間のトラブルの対応は含まれていません。
管理員はマンションの設備に異常はないのか点検をしたり、マンションの駐車場の利用者の管理をしたりといった業務をします。人の管理をしないのです。

管理会社への責任追及が増えていることについて

管理会社の注意義務違反を理由とする損害賠償請求が増えています。
私が担当した事件で、管理員の受付義務が争点となり、この義務が認められた事案がありました。
これは管理員業務の範囲を拡大解釈したもので私は納得していないのですが、裁判所は管理員が管理組合あての書類を受け取ったのだからそれを理事長に取り次ぐべきと判断したのです。
また、隣人間の嫌がらせについて管理員に報告したのに何ら対応しないことを管理会社の義務違反として損害賠償を求めてきたケースもあります。
管理会社の業務範囲を取り違えていることが原因だと思います。

マンションに住むということを考える必要があると思います。