マンションを舞台とする犯罪について

1 こんなテーマの話は聞いたことも読んだこともない?そうでしょうね。土曜ワイド劇場では無いですからね。でも、起こっています。代表的なものは役員による横領事件があります。そして、マンション内の窃盗事件やマンション内の器物損壊などがあります。殺人事件もあるでしょうが、ここでは管理組合との関係がある事件について触れてみます。
2 では横領事件についてです。一昔前は管理組合の管理費の管理方法として、銀行預金通帳と印鑑を役員が管理している事がありました。管理会社が通帳と印鑑を保管していたこともありました。銀行預金は管理組合が法人化されていない場合、○○管理組合代表理事長△△太郎の名義として預金されます。印鑑は○○管理組合理事長の印と刻まれた印鑑でしょう。銀行とすれば△△さんが預金者であると認識します。そこのところに犯罪の起こる隙間があるのです。預金の引き出しの際に大規模改修工事のために現金が必要ですとか何とか言って銀行窓口から引き出します。それを着服すれば立派な横領です。このような事が無いように管理会社が通帳を保管し、印鑑は会計理事とか理事長が保管しているケースがほとんどになっています。このことで簡単に出金出来ないようになっています。これ以上の事は手口を公開してしまうので書きません。
しかし、色々と考える人はいるものです。例えば、発注先の企業に対して便宜を図ったことへの見返りを暗に要求するようなことですね。これも背任になる余地はありますね。お金にまつわる事は起こりえます。何しろ年数が10年を超える管理組合ともなれば、5千万や1億位の預金は持っているのですから要注意です。管理組合には余りお金について慎重な意識があるように感じないのは、個々の区分所有者からすると自分のお金という意識が薄いからだと思います。適正化法で分別管理が徹底されていますが、あなたのマンションでの管理方法を検討すればよいと思います。ひとつには3カ月に一度は残高証明を取るとかですかね。手間ですが。
3 窃盗事件ではこんな相談がきます。管理会社の管理が悪かったから被害にあった弁償してくれと言うものです。これは普通の場合言いがかりでしょう。管理会社は個人の財産管理はしていませんものね。
又、酔っ払って廊下にある室外機を蹴飛ばして壊してしまうとか、悪戯で釘でドアに傷つけてしまったりするのは器物損壊などになりますが、その被害個所が共用部分か専有部分ないし個人の所有物かによっても被害者が異なりますので慎重な対応が求められます。
何事もないのが一番ですが。
以上