管理会社を取り巻く状況

今年もあと僅かとなりました

この一年もいろりろな相談とか訴訟とかがありました。
管理会社はどんな存在として認識されているのだろうかということを述べたいと思います。
私は、管理会社の顧問をしています。そうすると管理会社寄りの意見を発信するのだろうと思われる方がいるとは思いますが、第三者的に述べたいと思います。
余談ですが、かつてこのように依頼者から言われたことがあります。「弁護士さんて黒を白という仕事やから」それは極端な言い方やと思いますし、多くの弁護士は黒を白とは言っていないものだと思います。しかし、そんな風に思っている人も多いとは感じます。
話を戻します。管理会社に過度に頼っている人、管理会社にうまく言われて損をしていると思っている人、何にも感じ無い人の3タイプの感じ方があると思います。

過度に頼るということ

これには二つのタイプがあります。
一つは本当に頼り切っていて注文も付けないという従順なタイプですが、表面には出にくいですね。もう一つは管理会社は何でもしてくれるという依存性が高すぎるタイプとなります。
例を挙げます。「台風で停電した。早く停電を直してくれと管理会社に連絡を入れる」 「理事長が管理組合の預金を解約して横領したのは管理会社の管理が悪いからだ。弁償しろ」 「管理規約の改正案を作成してくれ」 「隣接地にビルが建って私の部屋に陽が入らなくなるので何とか交渉してくれ」などなどです。
これらは管理会社が提供する業務ではありませんし義務でもありません。どうしてこのようなことを管理会社に要求するのでしょうか。
私が考えるのは、ちょっと短絡的かもしれませんが管理会社というネーミングからくるのではないかなと思います。管理という言葉からあらゆることを管理してくれるという発想です。何度もブログで言ってますが管理委託契約で定められた事項をこなすのが管理会社なのです。
過度な要求を基にした管理会社に対する訴訟が増えてきたなというのが今年の実感でした。

管理会社はうまく利益を得ているということ

管理会社に対する不信感しかないタイプとなります。
何がそうさせるのかということです。
私は、管理会社は管理という単一商品を売りにしている企業ですが、フロントマンという顧客に密着したスタッフが存在することで各フロントマンが個人商店として顧客に対応するスタイル取って(取らざるを得ない)業務をする会社と考えています。この点が難しいところです。キツイ言葉で言えばフロントマンの対応によってその会社の印象が決まることにもなります。
管理組合の中で印象を悪く持つ人が出てくることもあります。一事が万事という言葉があります。管理会社とすればめんどくさいかも知れませんが、一つの仕事に対して十分説明することが肝要と思います。

何も感じないこと

これは、無関心ということになります。
管理費を払っているのだから管理会社にすべてをお任せというタイプが多いと思います。
このタイプが多くなればそのマンションの管理運営は少し危うい感じです。

管理会社の立ち位置

このテーマについては区分所有者の意識との関連性が否定できない状況で、考えていかなければならないことかとは思いますが、常に頭においておくことが重要と思います。
最後に、フロントマンの更なるスキルアップを目指しましょう。
では、良いお年をお迎えください。