区分所有者の意識について

抽象的な問題です

抽象的な表現で分かりにくいとは思いますが、私なりに感じるところをお伝えします。
まず、マンション全体についての意識と自分の専有部分に対する意識とは異なります。
自分の専有部分、つまり自分の家(住戸)は自分の所有物であるという意識は多く人の共通認識でしょう。
しかし、マンション全体に対する意識はどうでしょうか。
マンション全体も自分の所有物であると考えるのか、別物であって自分以外のもの、自分以外の人が所有し管理しているものであるという意識。そして、自分のものではないが全員が共有して管理すべきものであるという意識を持っている。
このマンション全体に対する意識は人それぞれで異なります。
私もどの意識が正しいという押付けはできませんし、しませんが、妥当なものは全員の共有だから全員で管理していくものであるという意識だと思います。
この意識の違いがどこに出て来るのでしょうか。

具体例を挙げてみます。
大規模改修工事がはじまり、養生シートがかかり、工事の音やほこり、臭いといったものが発生します。そんな時に施工業者に対して音がうるさいと苦情を言う人がいます。
こんな話を聞くと、エーッとなります。
発注者は誰だ。苦情を言う人も発注者ですよ。音や臭いが出るのは当たり前です。
結局、マンション全体に対する意識が無いのです。
同じく大規模改修工事について、その工事の内容や工事代金について無関心の人が多くなってきています。
自分の部屋の工事をするのに無関心の人はいません。では、マンション全体になると何故無関心なのか。
一つは、自分のことではなくマンション全体のことだからです。
工事代金は積立金から支払われるから、今すぐに現金を出す必要がないこと。工事のことは理事さんらがやってくれているという感じです。しかし、自分たちの建物に関することですから、関心は持つべきです。但し、過度に関心を持つと、新たなトラブルが待っていますので、大きな目で見てみましょう。

何をすべきでしょうか

マンション全体のことに意識を持って関与していくことです。その方法は、役員の順番が回ってくれば就任することでしょう。
区分所有者全員が役員経験を持つマンションは健全な管理組合があると言えるのではないでしょうか。誰かがやってくれているということではなく、自分もやっているという意識です。
そうすると、管理主体は自分たちだということが認識されてくる筈です。
管理組合と管理会社との関係については、このところブログで発信していますが、管理会社との関係についてはこうした意識があるかないかによって決まってくるのではないでしょうか。