管理員の地位について
一般的な場合、管理員は管理会社との間で雇用契約を結んでいます。したがって管理会社の従業員である事が多いです。一昔前は業務委託契約を管理会社と管理員との間で締結していた事も多くありました。これは管理会社の都合がほとんどです。雇用保険に入る必要はないし契約の打ち切りもし易いし、さらに残業の問題もクリアー出来ると言うことで雇う側からすると便利であったのです。
しかし、実体は雇用関係ですので是正する必要に迫られて今日ではこの業務委託関係はかなり少なくなっています。
管理員は管理会社の社員であると言う地位を持つに至りました。
管理員の業務内容
業務内容はマンションの管理業務委託契約によります。標準契約によりますと、①受付業務②点検業務③立会業務④報告連絡業務が定められています。②と③は建物と設備についてのことになります。立会は外注業者の作業に立ち会うことになります。
実はこの業務以外のことを管理員がやってしまう事が起こります。これがトラブルの始まりになります。
どうして色んな事が起こるのかという事ですが、居住者との接する機会が多いと言う事でしょう。居住者側において管理員の業務について知っている人は少ないでしょう。むしろ、居住者とすれば何か困ったことが起こればマンションの中にいる第三者的な存在である管理員さんに話を聞いて貰おう、そして助けてもらおうと言う意識があると思います。そのようなニーズに応えようとする管理員がいるのです。ここで2,3具体例をあげてみます。
問題の具体例
その1 上階の子供の部屋で飛んだり跳ねたりしているので注意をして欲しいと下階の奥さんに頼まれたので上階の奥さんに注意をしに行った。
このケースは管理員の業務のどれに当てはまりますか?答えはどれにも当てはまらないです。騒音問題は個々の区分所有者間で解決することです。
その2 特定の居住者と仲良くなってしまい、便宜を図ったりして居住者に対する不公平な接し方をしてしまう事があります。例えば仲良くしている人から隣の人がベランダで喫煙しているので注意をして欲しいと頼まれて注意をすることがあります。これも管理員の仕事ではありません。すべての居住者に対して公平であるべきなのに偏った対応と受け止められても仕方がありません。
その3 居住者からの申し入れに対して自分独自の判断で動いてしまうケースもあります。防犯カメラが設置してある場合に窃盗事件があったので録画を見せてくれと居住者から要求されてつい見せてしまう事が考えられます。このような場合は管理会社のフロントマンに連絡をして判断を仰ぐことです。
管理員が何故逸脱したことをするのか
理由の一つは経歴でしょうね。管理員になる人は色んな職歴を持っている人がいますので、それまでの経験から物事を判断する傾向は否定できません。すべては良かれと思って行っていると思います。しかし、マンションのルールと管理業務の契約に縛られる事を考えて下さい。自分の業務は何かについて契約を良く理解することだと思います。
以上
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