設備関係―特に給排水管についてー

設備について

今回は設備の中で給排水管について話すこととします。最近の相談案件でマンションの排水管関係のものが増えてきています。私はマンション関係の仕事をして35年は超えていると思いますが、35年前はマンションはまだ老朽化が進んでいない状況でありました。築年数の若いマンションが多くあり給排水管が悪くなるとか、更新するとかと言ったことはありませんでした。しかし年数を経て劣化が進むと更新しなければならない設備は増えてくるものです。
わたしのところにもそうした相談がいつの間にか来るようになっていました。
 そうなるとマンションを取り扱っている弁護士も設備のことを知っておく必要が出てきます。タイル剥離の事案は既に紹介していますが、建築関係の知識も必要となってきます。

排水管に関するちょっとした知識

マンション(マンションだけの話ではないかも知れませんが)では1階と2階以上の階とは排水管の経路が違うということです。そんなこと分かっているという方も多いかも知れませんが、実は私も最初から知っていたというものでは無く15年位前に分かったということです。
 排水管には竪管と横管(枝管)があり竪管は最上階から2階の横管までは接続していますが、1階の横管には接続していないということです。もし1階の横管にも接続していたとしたら上階からの排水が1階のところで滞留が起こり1階に逆流を起こすということになるのでそれを回避するために別系統にしているのです。
 またタワーマンションでは竪管が途中の階でワンクッション入れて下まで落ちていく系統になっています。水の重力を考えてのものになります。
以上のことは当たり前のこととして相談を受けることとなります。

どのような問題があるでしょうか

排水管の清掃に関する事案
 高圧洗浄の方法が一般的です。この方法を取るときは竪管内部に付着している錆の状況を把握して錆が落ちたときのことを想定して作業を進めることとなります。作業については管理組合と十分の協議が必要でしょう。
更新工事に関する事案
 竪管は1号系統から何号系統といった風に順番に工事をすることになります。そしてPS内の工事ですから居住者の協力が必要です。
 竪管の更新工事に合わせて住戸内の横管部分も同時に更新工事をすることとして、管理組合が工事の負担をするということで対応することも合理性があると思います。
 新築当時の施工がどうなっているのかを事前に確認しておくことが重要となります。事前調査をしないで施工すると想定外のことが起こります。
つまり配管の設置方法が予想と異なると 更新工事の予算や工程に影響が出てきます。

感想

給排水管の更新はこれから増えると思います。更新にかかる費用は巨額です。そしてトラブルも多くなると思います。管理組合においては事前に説明会等で共通認識を持ちましょう。
                                                   以上