国土交通省が管理規約改正案を示していることについて

コロナ禍に対応するために

マンション管理の新制度の施行に関する勉強会としてこの1月に開催された内容の中にITによる総会理事会の運営がテーマとなっている。
こうしたことが議論されていることを知ったのは。マンション管理新聞(マン管新聞と呼ばれています)の馴染の記者さんからの電話取材でした。マン管新聞にはこれまでも何回か私のコメントが掲載されていますが、今回はコロナ禍の総会理事会と題してリモートセミナーの講師を予定していた時でしたので、逆取材もできてラッキーでした。2月15日号に掲載されています。

問題点

コロナ禍で各管理組合は総会を延期したり、総会を理事だけで執り行い組合員の出席を認めなかったりと様々な動きがありました。
緊急事態ですから仕方のない面もありますが、ここで立ち止まって考える良い機会があたえられたように思います…

総会は区分所有法で決められています。管理者は年に一度は集会を招集するととなっています。マンションはその管理について多数決で決定することができるようになっています。これは共有関係の基本法である民法の特別法として認められているものです。民法では共有の法律関係は基本的に全共有者の合意で決めることとなっています。この基本全員合意を多数決によって管理に関する事項は決めることtができるという制度にしているのです。建て替えなどはその共有のマンションを特別多数で処分できることにもなっています。これは反対者の権利を多数で奪うことを容認する法律なのです。
そして集会はそんな管理組合の意思決定機関として重要な存在になります。集会について組合が自由にそのやり方を決めることはできないと考えます。厳格に区分所有法を適用しなければ少数者の権利を奪うことはできないのです。
ところで、管理規約でなんでも決めることができると勘違いしている人を良く見かけます。規約はそのマンションの憲法だという解説を読んだというのが一因かも知れませんが、この考えは誤りです。規約は区分所有法によってその制定を認められ規約事項というものに枠づけされています。
以上から集会の開催はしなければならないということが前提となります。そのうえでどうするかを考えることになります。

どう考えるか

総会については区分所有法を改正することになると思います。改正をしないで規約を改正することで対応することは、先に述べた区分所有法の趣旨に反することになります。
区分所有法とは何かを立ち止まって考える機会をコロナは与えてくれました。
現行法のままでもやり方はあります。

以上