理事の解任について いくつかのケースを考える

理事解任の背景

このところ理事解任の相談が増えてきている感があります。それらに共通するのは当該理事の行動にあります。独善的、独りよがり、人の意見を聞かない、果てはパワハラ等々というものです。ご本人はごく真面目にやっている気でいます。いろんな質問を聞いていてそう感じるのです。管理組合の運営は複数の理事が集まる理事会がパイロット役となりいろんな業務が進められていくと思いますので、合議をすることが大切です。
ところが、一人のために合議体が機能しないこととなる事態が起こっているようです。会社や団体と違うのはマンションという共同社会に居住している者同士の問題であるために特殊性が際立つと思われます。
いくつかの例を見てみます。

解任つまり辞めてもらう方法

前提問題として理事の解任と理事長の解任は同じものではありませんので、ここでは理事の解任を考えます。
⑴ 辞任勧告をすること
 理事会で当該理事の辞任を促すことがあります。口火を切るのは勇気がいると思いますが、理事数名で辞任を促すこととなります。そんなことでハイ分かりましたと言う人はいないでしょうが、理由を説明してお願いをしていくこととなります。辞任勧告は理事の任期がまだ十分に残っているということが関係すると思います。定期総会が近いと理事の改選があるのですから待てばよいということです。
⑵ 勧告が実らなければ総会での解任ということになるでしょう。規約に解任の規定はありませんが理事の選任が総会ですから解任も総会での決議で可能と判断します。その時は解任理由を明らかにするべきです。合理的な理由を証拠に基づいて示すこととなります。人格を攻撃するようこととならないように注意すべきです。
⑶ 次は少し異なる理由の解任の問題です。
 理事の就任資格の問題があります。規約に「理事は現に居住する組合員の中から選任する」となっているものが多くあります。この規約とおりに選任されていればよいのですが、組合によって配偶者の方が理事になっていることが結構あります。これは規約違反です。だとして理事の選任が無効だという主張をするケースがあります。

実際問題どうすることが良いか

理事の辞任勧告をしても辞めない理事をどうすべきか。トランプ大統領のようですが。
理事会の一致団結でしょうか。言うは易しと思いますがこの姿勢は示すべきです。