滞納管理費の承継に関して遅延損害金はどうなるのか

滞納管理費の承継

この問題は区分所有法7,8条の規定があり管理規約においても滞納管理費等を買い受け人らに請求できるとの規定があります。
標準管理規約を見ますと
 第25条 区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「管理費等」という)を管理組合に納入しなければならない。
一 管理費
二 修繕積立金
2 管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。
 第26条 管理組合が管理費等について有する債権は、区分所有者の包括承継人及び特定承継人に対しても行うことができる。
とあります。
 単純に読むと管理費等を承継するとは管理費、修繕積立金を承継することとなり、遅延損害金は含まれるのか否かという疑問を覚えたわけです。
それと、遅延損害金についても管理規約では当該滞納者に対して請求できるという定めになっていて当然遅延損害金債権が発生していないという定めになっているわけです。この関係も整理しなければなりません。
 私は永年に亘り滞納管理費の承継人に対しても損害金を承継したとして請求していたこともありますが、ここで少し検討してみようと思いました。

整理

そもそも滞納遅延損害金は承継されるのか?
管理費等が承継される根拠はそれらの費用が建物等に化体されて価値として存在しているという考え方によります。そうすると遅延損害金については滞納者の債務不履行によるペナルテイとしての請求となりますので建物に化体されているとは言えません。そこで、承継自体が否定されるのではないかと考えるのです」

次に、遅延損害金も承継されるものだとした場合に、滞納者に対して遅延損害金の請求を管理組合がしていない場合にも承継人に対して前者の遅延損害金を請求できるのかという問題がありまあすv。
これは何かおかしいなという感じです。滞納している張本人に対して遅延損害金を請求していないということは承継される具体的金額が無いわけですから承継する対象が無いということです。

以上から、遅延損害金の承継については検討を要する事項と考えるになりました。

実務的にはどうなっているのか

競売事件では執行官作成の物件情報には管理胃の滞納金額と遅延損害金の記入欄があり、滞納管理費の金額は具体的に記入されています。一方損害金については何日までの損害金として明記されているときもありますし、損害金の年利が記載されているだけの時もあります。損害金もありますという情報になります。

私見

遅延損害金については張本人に請求をしておかないと承継人への承継はできないと考えておくべきではないかと思います。今後のテーマです。
                                                  以上