マンション管理適正化法2条7号について

2条7号によると適正化法の対象から除外されることがある

 
マンション管理適正化法2条7号にはマンション管理業の定義として次のように規定しています「マンション管理業 管理組合から委託を受けて管理事務を行う行為で業として行うもの(マンションの区分所有者等が当該マンションについて行うものを除く。)をいう。」

マンション管理業者がそのマンションの区分所有者であれば管理業務を受託しても適正化法の対象外となるということです。これって本当なのですか。条文を読む限りはそのようです。このような法律を作った理由はどこにあるのでしょうか。もし、これがまかり通るとすると管理会社が区分所有者となれば行政による監視の目をくぐり抜ける事が出来るわけです。
 実は私が関与しているところで第三セクターの管理会社が区分所有者となっているところがありまして、実際、適正化法の適用がありません。

さて、対象外とした理由について言われているものに、区分所有者が管理するのだから自主管理である。自主管理はマンションの管理の仕方としては本来あるべきものだから行政が監視することは無いと言うものです。
で、私は考えたのです。

そんなの自主管理と言うのでしょうか

自主管理とは区分所有者が中心となって会計業務、総会、理事会の運営、清掃などをボランティアで行い、設備関係などは外部業者に発注するなどして管理を実行していくことであると思います。
特定の区分所有者が管理業務を実行することではなく、不特定多数の区分所有者が管理に関与する仕組みがあることです。
さて区分所有者に管理会社がいてその管理会社に業務を委託するということ、もちろん有償での委託は外部の管理会社に委託することと何ら変わらない筈である。役員が自主管理をしているところでは役員報酬を決めているところもありますが、それを業とはしていないでしょう。

私には法の趣旨が分かりません。一つ考えられるとすれば、管理会社も区分所有者になることもあるでしょう。そして、そのマンションが自主管理をしているのであれば、区分所有者の一人として管理に関与することがあるでしょう。その場合に業務に至ったとしても適正化法の対象にはしません。という限定的な解釈ではないでしょうか。つまり自主管理と言える実態が備わっているマンションにおいて後発的に管理会社が関わったと言うケースではないでしょうか。
管理会社に一般的な管理業務を一般的な委託料を支払って委託することは自主管理とは言えないと思いますよ。

弊害について

適正化法が制定されたのはマンションの管理業が財産を管理することであることや様々な不祥事が現実に起こっていることにあります。
そうだとすると管理業を営む者は原則的に監視の対象にするべきです。区分所有者だからという理由で除外する合理性はありません。そうでなければ適正化法の目的は達成されないでしょう。

もちろんその管理会社との管理委託契約を解除すれば良いのではないかという意見もあるでしょう。ただし現実問題として区分所有者の管理会社が管理業務をしているところは管理組合が実質的に機能していないとところが多いのです。リゾート、投資型、再開発型とかです。まあこんなところです。
以上