マンションで育った子どもは高所平気症?

高所平気症とは

 高所恐怖症はよく聞く言葉ですが、平気症とは何か。
 読んで字の如く高いところでも平気に歩くことができるというものです。高いところを高いとも思わないことです。
 この言葉は「こども環境学会」の織田先生が提唱されているものです。したがって、現代の子どもにみられる症状になります。

マンションとの関係について

 最近マンションから子どもの転落事後が増えています。その原因の一つが子どもの高所平気症と言われています。
 では、何が原因で高所平気症となるのでしょうか。
 この答えは、私も素人ですので、推測の域を出ないのかも知れませんが次のような事が考えられます。。
 マンションの5階以上ともなりますと、エレベーターを利用します。エレベーターでの移動は高低差の移動ではありながら、人体の動きは平面移動ですね。
つまり、子どもがマンションで生まれて育っていく中で、5階以上(便宜上5階以上としています)の居住空間では1階(地面)との高低差を感じない生活を送ることになります。その結果、高所が平気になると考えます。
 私も子どもの頃、段差のあるところで下に飛び降りる遊びをした記憶があるのですが、その段差が高くなるについて恐怖感が出てきます。もし、失敗したらケガをする、骨折するかも知れないと思うと足がすくんできます。ですから、建物の3階くらいからの高さには用心をするものです。
 余談ですが、人間はまず自分の足で高低差とか平地の距離感をつかむことが大切だと思います。大阪から北海道へ学生時代に丸1日かけて列車で旅行しましたが、北海道は遠いところだと実感するのです。
 一方、飛行機だと2時間くらいで着いてしまいますね。
 いきなりマンションでの生活となれば、子どもの体や脳が受ける影響を想像して考えておきましょう。

このような問題はいつから起こっているのでしょうか

 実は、私の師匠でありました故先田政弘さんと20年以上前にマンションでの子どもの転落事故について話をしていたことがあります。
 その時にも、「いきなりマンションで暮らす子どもは高低差を感じないので、ベランダの手摺壁から部屋内に飛び込むのも、外部に飛び込むのも同じ感覚と違うかな」と話をしていました。
 したがって、この高所平気症は古くからある問題なのです。
 子どもの気持ち、子どもの目線に注意しましょう。
マンションと言う住居スタイルを考えるテーマであると思います。