理事会で理事長を解任できる

平成29年12月の最高裁判決

理事会で理事長を解任できるとした最高裁判決が出ました。昨年末にマンション管理新聞から電話取材を受けまして判決についてコメントを求められました。
私のコメントは最高裁の判決に賛成ですというものです。1月のマンション管理新聞にその記事は掲載されていますので興味のある方は読んでください。
この事件の一審と二審は理事会での解任を認めませんでした。問題は理事長は区分所有法上の管理者になることが管理規約で定められていることにあります。管理者は総会で選任されていまして解任も総会でできることになっていますので話が混乱してくるのです。今回の最高裁は理事長の選任を理事会でできるとした規約の
承認をした区分所有者の意図を重視したものになっています。つまり規約はそのマンションの区分所有者の意思によるものであるとんいう基本を尊重したということです。

この最高裁判決の意味するものを独断で読み解きます

規約はマンションの区分所有者によって制定されるものでありその趣旨は尊重されるということを示したと思います。
最近民泊新法が施行されることに伴って民泊をか可とするか否とするかについて規約を改正するように国交省のから告示があったり、今年に入って管理業協会から各管理会社に民泊に関して許容しない組合においても規約を改正しないと許容することになるので周知徹底せよというような通達が出されています。
つまり標準管理規約に準拠することを勧めているのです。ちょっと待ってください。準拠とは何でしょう。もとになる法律とかに準じるようにしましょうというときに使いますが、標準管理規約の規範性はありません。単なる参考規約モデル規約です。モデルに準拠するという表現は適正ではありません。
重要なことは、そのマンションにおいて管理規約の各条項の趣旨とそこで定められている内容は何かを解釈することになりますが、それには区分所有者の意思解釈が基本となります。簡単に言えばその規約で定められたことを区分所有者はどう考えているのかです。規約は法的には合同行為というものですが、みんなで決めた契約であると考えてもらうとわかりやすいと思います。契約は自由に決めれますので外的要素によって変化させられるものではありません。

私の感じていること

コミュニテイ条項の削除の問題や今回の民泊の問題で管理規約の内容について国が関与してくることが目立っています。国の意図することは何か?について考える必要があります。ちょっと怖さを感じるのです。
今回の最高裁判決を私なりにその奥にあるものを想像してみました。