管理費等の時効管理について

管理費の時効について

管理費の時効については、かつて10年説と5年説とが分かれていました。今日では5年説が最高裁判所の判決があったこともあり確定していると言ってもよいのです。
今回の民法改正においては消滅時効は5年となり立法的にすっきりと整理されたことになります。
この改正民法の施行は平成32年4月1日となりますので、あと1年半ほどとなってます。これまでと変わることはありません。

時効はいつからか、起算点について

時効の起算点は債権者が債権の請求をすることが出来ることを知った時からとされていますが、管理組合が知った時とはどうのように考えればよいでしょうか。

具体的にはある区分所有者が9月分の管理費を滞納したという情報は管理会社が収納管理をしていることから支払い期日に入金がなかったことを最初に知ることになりますので、管理会社が知ったときが起算点であると見るのが自然だと思います。

消込の問題について

管理会社は滞納管理費の消込を行います。5か月滞納している区分所有者が5万円入金してきたら、古いものから充当していくことを消込と言いますが、一般的な場合はそれで間違いはありません。
但し、イレギュラーな場合があります。例えば前者の滞納分を承継した現区分所有者が承継分を支払わない時に管理費の請求を当月分としていたとします。現区分所有者が当月分の支払いをしていた場合に承継分を消し込むことを管理会社がしたとしても承継分について現区分所有者は承認しているとは限らないということです。また、管理規約で活動協力金を外部区分所有者は負担することになっていた時に外部区分所有者が明確に協力金を払わずに管理費だけを支払っていることが明らかな場合は協力金を消し込んでいたとしてもそれを区分所有者に対抗できません。つまり時効を援用されれば負けてしまします。
要するに消込は基本的には内部処理の問題であり、対滞納者に対しては時効を止めるものではないということです。

時効の中断は滞納者が債務承認をしていたかどうかにかかっています

以上をまとめますと、途中で5万円を支払ったときはその時までに支払うべき債務のすべてを承認していると認められるのです。しかし、滞納者がその支払いの対象を限定したりすると、債務のすべてを承認したと認定はできないということになります。

まとめ

時効にならないように5年が見えてきたら訴訟提起しましょう。