団地について 私の区分所有法の見方を紹介します

区分所有法の規定

区分所有法は、65条から70条までに団地に関する規定を置いています。
昨今、団地形式の分譲マンションにおいて様々な問題意識があるようですので、少し触れることとします。

団地認定

65条には、「一団地内に数棟の建物があって…」という文言からはじまります。
一団地という意味は、一敷地一建築物という原則の例外を認めたものとされたり、一般的には住宅の集合する区画されたり地域としています。
一つの地域に数棟の建物があると、そこは団地だと認識されます。
ところが、区分所有法では、そのような建物の存在する区画があるだけでは不充分で、団地内の土地又は附属施設がそれらの建物所有者の共有に属する場合に全員で団地管理組合を構成し、集会を開き、規約を定めることができると定めたのです。

私は、全員で共有する物があること、つまり土地や集会所といった附属施設が必要だと理解しています。共有財産がないと区分所有法の団地認定は出来ないと考えます。
法65条は、団地管理組合の発生根拠となるものです。そして、団地管理組合は土地、附属施設さらには専有部分のある建物の管理を行うことができます。

団地規約などの設定根拠は

66条は区分所有法の単棟型区分所有建物の規定を団地に準用している規定となります。
同条で31条1項を準用していることで、団地管理規約の設定変更が区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数決で可能となることの根拠を示しています。
この時の区分所有者は団地建物所有者と読み替えますので、団地内の全区分所有者となります。

団地共用部分のことについて

67条は、「一団地内の附属施設たる建物は、30条1項の規約により団地共用部分とすることができる。この場合は、その旨の登記をしなければ第三者に対抗することができない」と定められています。
この規定は、実体法の根拠のない状況で登記実務として先例があったので、それに法的根拠を与えるものとして立法化されたと言われています。
つまり、全員共有の集会所などを共用部分とする登記がされていたことから、その根拠づけのための立法となったのです。

団地内に一部の区分所有者の共有となる部分の扱い

68条は、規約設定の特例とされています。
団地規約を定める時に団地内に一部の建物所有者の共有に属する団地内の土地、附属施設や専有部分のある建物があるとその建物等は当然には団地建物所有者全員の管理対象物にならないので、本条の規定は一部の建物所有者の共有に属する建物をも団地建物所有者全員の管理対象物とすることができる手続きについて定めたものとなります。

68条の規定は、各棟管理組合及び各棟管理規約との関係についても見ておく必要があります。
ポイントとしては棟別管理組合、棟別管理規約は原則として存在するということです。区分所有法上、団地の規定は特則となります。
ところが、団地管理組合に団地管理規約を設定し、その規約において各棟の共用部分の管理を対象とするべく68条の手続きで規約内容が決まれば、その範囲で各棟の管理対象は団地管理組合の管理対象となります。

以上のように、65条から68条の規定は、団地管理組合の発生と団地管理規約の設定、さらには団地内の各棟の管理を団地管理組合の対象とするための規約設定手続きを定めたものと言えます。
団地が成立するのかがスタートラインとなります。団地が成立しないとすると66条から68条までの規定は一切適用されません。
又規約の設定は区分所有法の規定に根拠をおきます。
団地管理組合の発生を前提として、団地管理規約の設定があるということとなります。

69と70条

69条と70条は、団地内の建物の建替えに関する規定となりますので、今回は触れません。

団地認定について追加します

団地と認定されると多数決原理によって管理に関する事項が決まっていきます、共有財産が多数決によって管理されていくことになるのは財産権に対する制約になるのですが、区分所有法で許容するのですからその適用は厳格でありたいと思います。

団地の問題はまだまだ研究すべき点が多いと思います。
                                                             以上