マンションの火災について

専有部分の火災

最近専有部分の火災に関して管理組合から依頼がありました。長くこの仕事をしていますが初めて依頼です。ありそうですがないのだと言うことを再認識しました。そして現場に出向き火事の状況を確認して復旧工事の段取り等について検討しました。
マンション火災の現場を見て感じたのは、マンションとは堅固な建物だということでした。焼失したのは当該部屋だけで隣の住戸や上階の部屋には延焼はなく、また躯体部分の損傷も大きなものではなかったのです。
但し、消火活動の際の放水によって下階の部屋は水の被害を受けるといことが現実問題となります。

焼失した後処理について

最初にしないといけないのは焼失した家財道具などの処分です。すべての物を撤去しないと躯体部分の診断もできません。その撤去ですが、り災証明書をもらえば地方自治体が無償で撤去してくれるものがあります。電化製品などは駄目のようです。ですから無償の物と有償の物とを処分します。撤去が終わってから建物の診断をして躯体部分修繕をします。これは共用部分ですから管理組合の仕事となります。その工事が終わって専有部分の工事になります。
この時に火災保険の請求をしておかねばなりませんが、保険対象範囲について共用部分と専有部分との境界が明確でない7ものが出てきます。例えば、玄関ドア、サッシの枠とガラスなどです。共用部分と言えばそうですが、サッシなどは専有部分の要素も多くその区分所有者の負担でもよいように思えます。但し保険でカバーしてもらえるのならそれに任せてもよいでしょう。

失火元の責任

我が国には失火責任法という法律があり、第三者に対する不法行為責任が重過失でもなければ問われないということになっています。つまり、失火責任としてマンションの建物に与えた損傷や隣近所に与えた損害について負わなくとも良いということになるのです。
ここから備えておかないといけないのが火災保険ということになります。組合も個々の区分所有者も保険には入っておいたほうが良いということになります。