専有部分のリフォームについて

専有部分のリフォームについてどう考えていますか

専有部分のことはその区分所有者が自由にできると一般的には考えられています。しかし壁のクロスを張り替えるにしても剥がす時に、もしかしたら壁そのものにキズをつけるかもしれません。またユニットバスを取り替えるときには床とか天井のスラブにキズをつけるかもしれません。給排水管のやり替えは必ず共用配管との接続があります。
区分所有者は共用部分をキズ付けるなどして全体の利益を害することはできません。
昔はリフォームはそれぞれが言わば勝手にしていた時もありました。工事業者の人もあまり気にかけていない状況がありました。
それが表面化してきたのはフローリング騒音問題が多く世間を賑わしてきたころではないでしょうか。

モデル規約による専有部分の工事について

当初の標準管理規約には、専有部分の修繕等に関する規定は置かれていませんでした。
専有部分の修繕等に関する規定は、平成9年2月に標準管理規約及び同コメントの普及について、建設省建設経済局長及び住宅局長より都道府県等に通達された改正規約の条項の一つとして盛り込まれました。
その背景には、専有部分のリフォーム等の工事として実施されるフローリング(畳の部屋あるいはカーペット敷の部屋をフローリング仕様に変更する等)、ユニットバスの取り替え(床スラブや壁との分離と設置及び給排水管の取り付けにおいて共用配管との接続は回避できない)、エアコンの設置や配線の取付け(ベランダ床へのアンカーボルト設置等)などの際には、共用部分に係る工事を実施しなければならないものがある。そのような工事の際に、区分所有法6条1項の「区分所有者は、建物の保存に有害な行為、その他建物の管理又は使用に関し、区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」と定める区分所有者に対する禁止行為の規定が存在することで、専有部分の修繕工事について管理組合や他の区分所有者から工事の中止を求めるなどのトラブルとなるケースが増えてきたことがある。こうしたマンションの用法をめぐるトラブルを防止するために新たに設けられたのが、標準管理規約17条の規定です。
そして規約には理事長の承認があれば共用部分に関わる工事ができることになっています。

このように規約が改正されていくのには社会的背景があるのです。立法事実と言われるものですが、そのことを知ることは非常に重要なことです。

フローリング問題はどうなったのか

ここのところ私はフローリング騒音のことを忘れていたのですが、最近質問を受けました。それはフローリングの取り替え工事をされたところ遮音性能が悪いものに取り替えられたため音が気になるようになったということでした。
これはかつてカーペットや畳からフローリングにしたところが経年劣化したことで取り替えるところが増えてきたのかなと感じたのです。
取り替えるときはこれまでの遮音性能以上のものを取り替えるようにしてもらいたいと思います。金額の問題は重要だと思いますが。下階とのことを考えて動いてください。

リフォームは増えると考えます

築30年を超えるマンションはどんどん増えています。大規模改修工事は2回目とか3回目とかに来ています。専有部分もリフォーム2回目とかの時期が来ているように思います。
専有部分の改修工事について組合で共通認識をもってルールを整備するということも必要ではないかと考えます。

今年 令和元年のブログは最後になります。来年もよろしくお願いします。