外壁タイルの剥離についてーその2-

タイル剥離の問題について考えます

既に事業者に対してタイル剥離の責任追及が出来るのかについては触れていますが、今回はタイル剥離を発見してから管理組合はどのように対応していけばよいのかについて時系列に説明しようと思います。
 
さて、タイルの異常はいつ誰が発見するでしょうか。多くの場合は管理会社による2年点検の時が多いと思います。外壁タイルの打診検査ができる範囲(廊下から手すり壁を叩くとか)での異常が発見される場合です。目視での異常確認もありますが、目視で分かるようだと少し危ない状況ですね。つまり浮いていることになります。
 こうした異常が発見されると管理組合の理事会で対応策を検討することになります。まず状況を把握するために検査が必要になります。
 
 検査とは外壁調査と言うことになります。その時に事業主に検査をするように求めると事業主は外壁のアフターサービスにしても瑕疵担保責任にしても2年が経過していますので出来ませんと言う答えが返ってくるでしょう。ただ、中には対応してくれる事業主がいるかも知れませんがそんな会社は希少価値ものでしょうね。
 では施工業者に頼むこととしたらどうでしょうか。エッ施工業者に検査してもらって大丈夫なのか?ですか。そうですね不具合なタイル施工をしたのですからそもそも信用できるのか、という事ですね。その辺のことは私も決めかねます。皆さんで判断してください。検査にはお金がかかりますので出費を抑えることを思うと考えどころです。
 

外壁検査の結果を受けて

さて、この外壁タイルの剥離状態を検査することは非常に重要なことになりますので、信頼のできる業者に依頼をしてください。
検査結果が出た時に担当の業者に見解を聞けば良いでしょう。つまり、タイルの剥離面積やその状況が施工不良によるものか経年劣化によるものかと言う事です。
判断基準としてはBELKAによるデータ(修繕周期の基準となる数値)が参考になります。外壁タイルですと5年で2から3パーセントの不具合なら経年劣化と考えられています。仮に築10年で15パーセントなら施工不良でしょう。

法的請求は可能か

ここまでたどり着いて、さて次の段階をどうするのかです。
施工業者に対して補修工事などを要求できるでしょうか。

この問題について大変重要な判断が最高裁判所の判決で出ています。要点を言いますと管理組合つまり区分所有者と施工業者は何の契約関係もありません。契約関係のない者同士の間では不法行為責任のよる請求ができるかどうかにかかってきます。この不法行為責任を肯定する理由として裁判所はタイルというものは剥落すれば人の生命財産を侵害する可能性が非常に高いのでそのような工事をした施工業者に対する不法行為責任は業者に過失があることが前提となりますが認められるとしたのです。したがって、施工業者に対しては工事代金相当額の賠償を求めることが可能となります。施工業者が補修工事をしますということになれば柔軟に対応すればよいでしょう

まとめ

結論だけを見ると簡単だと思われるかも知れませんが。ここまでたどり着くためには資料を収集したりタイルの施工仕様を確認したりで大変なのです。それなりの日数も掛かります。
管理組合としてもまとまりをもって対応してもらいたいと思います。
                                                           以上