ペット飼育を可能にする規約変更   団地の場合はどうなるか

団地の場合 どうなるか

団地の場合にペット飼育を可能にするには全棟が賛成しなければならないでしょうか。一棟のマンションの場合と団地の場合は感覚的に違うなと思います。
少し考えていきましょう。
 団地の場合に各棟管理組合があり棟別の管理規約があるケースと棟別組合がなく一括して団地管理組合があるケースに分かれます。後者の場合団地組合の名称ではなく○○マンション管理組合となっていることも多いと思います。今回のテーマでは棟別管理組合があって棟管理規約もあるというケースで考えてみます。
団地と言ってもその要素は異なります。敷地を共有している場合とか集会棟を共有しているとかですが、敷地を共有しているか、そうでないかに分かれると考えます。それはペットの代表格となる犬を例にとると、犬は散歩が必要になります。マンションの建物の中よりも敷地内での散歩があります。敷地を全区分所有者が共有していると、全区分所有者の意向が重要となります。
では具体的に進めましょう。

規約はどうなりますか

各棟の管理組合があり規約もあるところでは各棟でペット飼育の定めがあります。そんなところではそもそも団地管理規約でペット飼育については定めていないと思います。
では、団地管理組合でペット飼育を認める規約を設定しようとするとどうなるでしょう。
区分所有法68条は団地規約の設定についての特例を設けています。この規定は団地内の一棟の区分所有建物の専有部分に関わる規定を設ける時に全体の区分所有者の4分の3と共有持分の4分の3の多数決で規約が設定されるのではなく、各棟で4分の3の多数決議を必要とすると規定しています。団地内の全棟の一致を重要視した規定となっているのです。それは各棟規約でペット飼育が可能とする規約変更が承認されることにもなる訳です。
ですから、一棟が飼育可とする方向で纏まり他の棟は禁止を維持するという場合には全棟が一致していませんから団地内においてペットを飼育することはできないと考えます。

団地の形態で違いはあるのか

 団地の形態が異なるマンション、例えば集会棟だけが全体共有で各棟の敷地がその棟に対応している場合などは共有敷地の範囲が特定されてペットの侵入を防げる形が取れると思いますので棟別の対応も可能ではないかと考えます。
このように団地の形態によって異なる結果もありかなと思いますが、団地と言う繋がりの中のことですから一体としてルール作りをすることが望ましいと思います。 
以上