専有部分を規約共用部分にするには

Aさんが区分所有している101号室を規約共用部分にする方法

これには、101号室を規約共用部分とすることを管理規約において定めなければなりません。つまり、規約変更をすることです。
 例えば、規約において規約共用部分とする対象の中に101号室を明記することになります。手続きは、4分の3の特別多数決議が必要です。
そのうえで、登記申請をします。
 登記申請は、単独申請で101号室の区分所有者からの申請になります。101号室は専有部分ですから、敷地利用権が割付けられていますが、101号室が規約共用部分となっても、敷地利用権は割付けられたままの状態となります。
 共用部分に敷地利用権が割付けられたままというのは少し違和感がありますが、そのような制度になるのですね。

規約共用部分となった101号室を売却することは可能でしょうか

 これは、難しいです。
規約共用部分になったものを売却するには、全区分所有者の同意が必要ですので、事実上無理でしょう。
 したがって、101号室を規約共用部分にするときは、将来のことも考えて慎重に検討して下さい。
 売却を考えているのであれば管理組合法人名義にしておいたほうが登記手続きは簡単になります。

登記手続きと実体法の関係

私見ですが、法人名義で専有部分を取得することがありますが、取得目的が管理に関連することでなければ認められないと思います。この場合は集会の決議で取得は可能です。では売却の時はどうでしょうか。組合の財産(全区分所有者の共有財産となります)となったものを処分することになるのですから原則は全員の同意がないとダメではないでしょうか。
しかし登記手続きでは全員の同意書は必要としないですね。
登記と実体関係がしっくりこないと感じているところです。
                                                                 以上