緊急事態宣言が延長される時に

令和2年5月6日

本日は新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が効力を失う日とされていましたが、今月末まで延長されました。
多くの人が経験したことの無いような事態です。
弁護士も事業者ですので、事務所の賃料、事務員の給料、その他の必要経費の支払いと固定経費の負担があります。そして裁判所は通常の民事事件の審理はストップしている状況で私のところでもこの一か月は裁判所に行っていません。さらに延長となるでしょう。
今回のブログではマンションと緊急事態について述べてみようと思います。

地震とマンション

阪神淡路大震災によって被災したマンションの復旧についての話からします。このことは過去のブログにも記載していますので重複部分があります。ただ強調したいのは、震災を経験したことで、将来同じことが起こった時を考えてルールを平時に議論して備えておこうと言う動きでした。ある団地型のマンションでは数棟の建物があるのに一つの管理組合が存在するだけだったので、棟別管理組合を立ち上げて災害時の復旧を棟ごとに対応できる仕組みを作ったところがあります。災害時において急場しのぎで物事を決めると何かにつけて不具合が出てくるものです。
昨年は水害でマンションの機能がマヒしたという事態も発生しました。マンションの防災について水害は十分意識されていなかったのでしょう。そして、今年のコロナです。

コロナとマンション

コロナの問題は現在進行形です。管理組合の総会を開催すべきか、入居者に感染者が出たときはどうするのかなどの対応が迫られます。
現行の規約ではコロナ対策についての定めはありません。コロナの終息後に平時において規約改正を考えるべきだと思います。私が思うのは感染症が発生し緊急事態宣言が発出されるような事態となったときの総会手続き等を決めておくことです。総会についてはコロナだけではなく災害時のことも含めて検討することだと思います。
ルールがあることは緊急時にあれやこれやと迷わないことになるのです。
また、入居者に感染者が出たときには速やかに情報を共有することとし感染者に対する対応の指針を示しておくことが肝要です。こうすることは感染者に対して攻撃的に対応しようとする一部の居住者を抑止する効果があると思うからです。
またマンションが外部の人から攻撃されないことも何か工夫をしておくことが必要となるでしょう。残念ながら今回のコロナでニュースで報道されているように差別的発言が見受けられることからあえて述べるところです。

コロナはリトマス試験紙では

今回のコロナによってそのマンションの成熟度やコミュニティ形成の度合いが見えてきます。
例えば、管理会社との関係をどう見ているのかです。組合員から、総会を開いて感染者が出たら管理会社は責任をどうとるのか、という質問がああります。管理会社が責任を取る問題ではありません。管理会社は管理組合の総会をサポートする業務を担っています。開催は管理組合が決めることです。
感染者が出たときに情報共有を決断できない役員も出てきます。

余談

今日のテレビを見ていますと政府の対応と大阪府知事の対応の違いがテーマになっていました。政治家にとってのリトマス試験紙がコロナでしょう。
私がズシンと来たコメントがあります。岡田晴恵(漢字は?)さん(感染症の研究者)が大阪府知事の会見を聞いて「この知事さんはコロナのことを分かって説明されている。よく勉強されていると思います」とコメントされていました。
岡田さんに質問があります。安倍さんはコロナを分からないで会見しているのでしょうか?
コロナの一刻も早い終息を祈ります。