マンションの耐震性能について

東洋ゴムの問題

マスコミ報道でご存知のように建物の基礎に設置する免震装置のゴムの性能偽装が発覚して問題になっています。この免震装置は地震の揺れをスライドさせることで建物を基礎の部分から揺れに合わせるような感じだと思っています。この装置が無い建物は地震の揺れが上階部分で大きくなり揺れ幅が数メートルにもなると言う事です。

今回のマスコミ報道が出た時に、これは建替えが必要ではないかと思った人がいたのではないでしょうか。実際の対処方法は取り換えれば良い事なんですが、マスコミもそこまでは報道していませんでした。その後の報道では全物件での取り替えが終わるのには1年半ほどかかると言う事を聞きましたが、その間に大地震が来たらどうするのでしょうか。心配になります。
まあ、耐震問題については非常に敏感になっている事の表れでしょうね。しかし、情報は正確に把握する必要があります。

マンションのどの部分を注意するべきか

私が正会員の集合住宅改善センターで耐震に関するセミナーがありましたので聞きに行きました。その時の話でマンションはピロティ部分は注意が必要との事でした。そして、補強をするとすればピロティ部分を第一に実施することを薦めるとの事です。

そういえば、阪神大震災の時にはピロティ部分が座屈して全壊判定を受けたマンションが幾つかありました。ただ座屈することでクッションとなって上の部分の倒壊を防いだという説明も当時聞きました。そしてまたマンションの倒壊が少なかったことも事実です。

構造部分で見てみますと、床スラブがたわんでくる事はそんなに問題にはならないようです。
構造のことで以前こんな話を岳父から聞きました。あくまでも計算上の話との前置きがあって「割り箸4本を鉄板の四隅に地球に対して垂直に立てて鉄板を水平に支える。その鉄板の上にゾウを載せる事が出来る」というのです。もちろん割り箸が一本でも垂直が維持できなければ鉄板は落ちてしまいますと言うのです。なるほど分かったような気がしました。柱と梁、スラブの関係が何となく分かったような感じです。ただ、現実の工事ではそんな性能をだせる訳がありません。

耐震評価について

耐震診断の結果大丈夫ですという事はどのようなことでしょうか。震度6強の地震がきても建物が壊れないと言う事ではなく、建物のなかにいる人が避難する時間はありますよと言うことらしいです。そのくらいに考えておいて良いという事です。
耐震補強が必要と診断されたとしても震度6強が来れば倒壊するとは限らないという事です。

それぞれのマンションで耐震問題を考えるきっかけを東洋ゴムの問題は与えてくれたと思います。
以上