リモデリングとはどんなことですか?何が問題になりますか?

1 ここでは2戸1戸化を例にとって説明します。2戸1戸化とは隣り合った二つの専有部分の戸境壁の一部を取り壊して開口部を設けて一つの大きな専有部分にすることを言います。専有部分の床面積が50㎡程度のものを二つ合わせることで100㎡規模の広さを確保できれば利用価値も増してマンションの活性化が図れることになります。これがリモデリングの一つである2戸1戸化です。
2 問題は壁を壊すことで建物の構造耐力が維持できるのかと言うことと、壁は共用部分ですからどんな手続きで可能なのかということです。さら
に言うと一方の専有部分に抵当権が設定されていたとすれば2戸1戸化することで抵当権は有効を維持できるのかと言うことも問題になりす。
3 一つ目の構造上の安全性については調査をすれば良いことになりますので、安全性が認められればクリアー出来ます。
 二つ目の手続きですが、壁は共用部分ですから勝手に壊すことはできません。では共用部分の変更として総会で承認をされれば良いのでしょうか。共用部分の変更はそもそもマンションの全体のための改良行為とか管理維持行為のことだと考えます。2戸1戸化はその区分所有者の利益になる事でしかありませんから共用部分の変更を承認してもらうことでは認められないと思います。2戸1戸化が可能になるように管理規約に2戸1戸化を認める条項を設けて手続きを明確化する必要があると考えます。そうすることで2戸1戸化がマンション全体のためになる共用部分の変更であると理解できるのではないでしょうか。こんなことを考えるのは、マンションは建築された時の構造(専有部分の形や共用部分の形)を元にして共有物に対する区分所有関係が出来上がっているのですから、その共有物の形を変えてしまうのは原則として全員合意が必要だと考えるからです。リモデリングについては規約事項としてどう取り入れるのかを検討することになると思います。
 最後の抵当権の問題ですが、これは抵当権が拡大すると考えられています。ただ異なるケース、二つの専有部分に抵当権がそれぞれ設定されていた場合は2戸1戸化に当たって抵当権者の同意が必要になるでしょう。
 余談ですが、昔の事件でマンションの1専有部分に抵当権を設定していて競売請求をしたところ債務者が隣の専有部分を手に入れて勝手に壁をぶち抜いていたために競売出来なかった事がありました。理由は抵当権の目的物が滅失したというものでした。悪知恵の働く奴はいるものです。皆様ご用心を。
                                                以上