管理者とは
区分所有法25条に管理者の選任に関する規定があります。そして26条1項には管理者は集会の決議、規約で定められている事項を実行する権限があり、26条2項には管理者はその職務に関し区分所有者を代理するとあります。多くのマンションでは管理規約において理事長は区分所有法上の管理者であるとの規定があり、理事長と管理者は同一ということになっています。
管理者の代理権限は集会や規約で決められた事項についてのものとなります。したがって包括的な広い範囲の権限を委任されているものではありません。
区分所有法は管理組合や理事、理事会に関する規定は置いていませんが管理者の規定は置きました。これは管理するための代表機関としての役割を持たせるために必要不可欠の存在として位置付けたものと考えます。権限と責務があります。
管理者をめぐるトラブル
管理者をめぐってトラブルとなることがあります。どんなケースかと言いますと管理組合の運営が管理者を中心として行われているところと言い切ってもよいかもしれません。具体的に言いますと、当初の分譲業者が管理者となりかつ管理業務をいているケースとか第三セクターが管理者で管理会社になっているようなところです。共通しているところは一般の区分所有者が管理者(理事長)になっていないし、管理組合の事業について一般の区分所有者の意見が反映されていないところです。そこでは、通常の管理会社が管理受託をしていることはありません。横から見ていると管理者が好きなように管理をしていることが見えてきます。
分譲マンションなのにどこか賃貸マンションのオーナーのような管理者に見えてきます。
勘違いをしているようですね。区分所有建物の管理ルールは多数決を基本としていますが、どんなことが多数決でできるのかについて十分理解していない人が多くいると感じています。管理者だから管理費滞納者に対して訴訟できるとか、携帯基地局との契約をできるとか、コンサルとの契約をできるとか、意外とやっている行為になります。これらは総会承認が基本的に必要なのです。しかし区分所有者から異論が出ないと通過してしまうのです。そして長期間に亘ってこんなことが行われてしまうと、不正経理や背任行為の温床になり異論を唱えるときは酷いことになっていることがあります。
で、いよいよ管理者を解任して新たに管理者を選任することになります。
解任について
普通の解任は集会での解任です。理由は特に必要ないでしょう。もちろん多数決での解任ですので、何らかの問題があるのが普通です。
次に区分所有法上の解任です。これは管理者に不正が認められることを理由として訴訟で決着をつけるものです。一人の区分所有者でできる制度です。
マンションでは理事長と呼ばれていて管理者と呼ばれることhさあまりないと思いますが。責務はあるということです。
以上