管理費の滞納問題について

管理費や修繕積立金の滞納に対して損害金を加算して請求できることになっていますが。実際はどうしていますか。管理組合によってまちまちだと思います。

1.何故支払わねばならないか?

管理費や修繕積立金(以下、管理費等と表現します)は、そのマンションの管理運営の財源になるものです。
管理費は共用部分を管理するための費用で、主に日常管理の財源に、修繕積立金は共用部分を維持していくための資金で計画修繕の財源になります。
区分所有法及び管理規約は、区分所有者にこれらの費用の支払い義務を定めています。
具体的な金額や支払い方法は管理規約で定めることになっていますが、特に具体的に定めていない限り、マンションを管理運営していくうえで、必要な年間経費を共有持分の割合(専有面積の床面積の割合)で配分した額になります。

現在の平均的な管理費の額は、専有面積60平方メートルの住戸で月額1万円くらいです。
修繕積立金はマンションによって修繕計画が違うのでまちまちですが、修繕積立金の月額が管理費の月額の1~5割程度しかない場合は、将来の定期的な大規模修繕のために早めに増額しておいた方が賢明でしょう。

2.管理費等の滞納は避けられるのか

管理費等は家賃ではないので、管理費等を払わなくても直ちに立ち退かされることがないので、比較的容易に滞納するケースもあります。
経済的に困ったときに最初に支払をしなくなるのが管理費等です。
住宅ローンの返済はきっちりしているのに支払わない区分所有者や、生活は一見派手にしているのに管理費は支払わないとかいろいろあります。
もちろん、支払に窮している人もいます。事前に避ける方法は無いでしょう。

3.滞納者に対する請求方法について

ここでは損害金の取り扱いについて述べます。
損害金について現行の規約は14パーセンツ前後の定めをしていることが多いと思いますが、今の経済情勢とは合わないと思っています。
滞納者がいけないのだから高くとも問題がないという考え方もありますが一桁のパーセントくらいがいいのではと思います。
管理組合の役員になると、まず、この滞納問題に直面する方が多いと思いますが、損害金の加算については、規約で請求することが出来るという定め方がほとんどだと思いますので、柔軟な考え方も良いかなと思います。

4.管理費等の支払請求事件を担当する弁護士として考えること

裁判になる事案は民事にしても刑事にしても基本的には過去の出来事についてどう解決するかがテーマとなります。
ところが管理費等の請求事案は相手が区分所有者であり続ければ将来も考えなければなりません。過去から未来に及ぶ事案になりますので将来において滞納がなくなることを思い仕事をしています。
これは理想にすぎますがね。