基礎杭のデータ改ざんに関して思う

事件報道

神奈川県のマンションで基礎杭が支持層に届いていないのに届いたとするデータを工事会社の担当者が改ざんして報告していたことが大きく報道されました。旭化成建材が工事をしたマンションと言うことでした。基礎工事として杭を打つ施工会社は旭化成建材だけではありませんが、この報道をきっかけとなってマンションの安全性を尋ねてくる管理組合とか購入者が増えているようです。ところで、このブログを書いている11月23日現在ではこの報道は少なくなってきています。
来年になればこの事件も皆さんの記憶の中で薄くなっているかもしれません。

私なりに聞いたり調べたりしたことと感想

旭化成建材は既製杭のメーカーで成長してきたようです。従来の場所打ち杭ではなく、杭の本数も減らすことができ騒音振動も少ないと言うものらしいです。私も素人ですが、場所打ちよりも本数が少なく済むと言うことは工期の短縮につながりますね。そして本数を減らすと言うことは一本一本の杭の打つ場所を正確に特定する必要があり杭伏図の正確性が重要でしょう。そしてポイントの深さの把握です。

今回のマンションにおいても既製杭が使用されていたようですが、そこで地盤調査とか杭伏図の作成そして打つ箇所の深さを誰が担当してのか?全てが旭化成建材なのでしょうか。知りたいですね。
マスコミ報道に多くあるのですが、今回でも杭が支持層に届いていないということのみが先行してしまいます。私も調べてみると、杭打ちの工法もたくさんあることが分かるのですが、今回のケースはどんな工法かについての情報が欲しかったですね。支持層に届かなくとも良い工法もあるのですから。

今回の工法が分かればどこに原因があったのかも解明できるのです。勝手に言わせてもらいますと、地盤調査の段階で杭打ち工法を想定してやったのか、杭伏図は誰が作成したのか。既製杭の製造にデータが正確に伝わっていたのか等など。単純に現場代理人の改ざんで済まされるようなことではないと思うのです。私の考えは間違ってますかね。

問題意識の持ち方

基本的には工期が優先されると言う現実があります。
今回は杭打ちでした。杭が不十分だとしてやり直しともなれば1カ月から数カ月の工期延長となり事業主の損害は大きなものです。工期に間に合わせることを第一と考えたのでしょう。こんなことを考えるのは誰でしょうか。現場代理人だけが考えるのでしょうか。

タイルの剥離のことをブログで書いていますが、タイルの問題も工期が関係しているケースが多くあります。養生期間との関係になりますが後の工事ほどスピードアップとなる傾向があります。

今回の件で最近元施工の三井住友建設が会見をしていました。ところで、住宅の瑕疵担保責任法は住宅の構造部分躯体部分に瑕疵があれば売主は10年間担保責任を負うことになっています。基礎部分も当然含まれると考えます。

一方、マンション購入者の方々の不安も分かりますが、この頃聞きますのは、うちのマンションの基礎工事はどこがしたのかを教えてほしいと言う声です。先に書きましたが杭打ち工法もいろいろあることから施工業者を確認するだけでは何の役にも立ちません。もう少し落ち着いてはどうかと言いたいところです。
                                                          以上