管理組合が被告として訴えられたらどうしますか

管理組合を被告とする訴状が届いたらどうします?

管理組合の理事長あてに裁判所から訴状が届いたら。こんなことはめったにありませんが、そうなったときはどうしますか?
最初に考えるのは第一回期日には裁判所に出頭しなければならないことだと思います。
その期日までは大体1か月くらいです。弁護士さんに依頼することになるのなら急がないといけません。理事会はこの間終わったばっかりで次回は裁判の期日より後になる。さあどうする、といった具合でしょう。
そして第一回の裁判期日には弁護士さんにお願いをして管理組合の代理人として出廷してもらうと言うパターンとなります。ここで問題です。組合の承認つまり理事長が裁判の手続きを取ってよいとする総会承認を得たのかと言うことです。

被告になったことでその訴訟追行を誰がするのかを総会できめることとなります

区分所有法では理事長(管理者)は総会の承認によって原告あるいは被告として訴訟追行できると規定されています。
原告になるときはその通りです。しかし被告の場合はある日突然訴状が届くのですから準備はできません。訴状が届いて何も対応しなければ欠席判決と言って原告の主張が認められてしまいます。被告として訴訟追行することが総会で承認されるまで待ってられません。
ではどうすれば良いのでしょう。取り敢えず理事長として答弁書を提出すればよいと考えます。そのうえで近いところで臨時総会を開いて理事長が管理組合の代表として訴訟追行することを承認してもらうこととなります。その議事録を裁判所に提出しそれまでの訴訟行為を追認することになります。以上が正しいやり方になります。
 しかし、裁判実務としてこのような総会議事録を提出するケースは余りないと思います。
こうしたことを想定して管理規約に「被告その他裁判所に訴えられたときは理事長は応訴など訴訟追行できる」と言う規定を盛り込んでおくことが必要かも知れません。管理組合が訴えられることを想定することはいやですが、そのような時代になってきたかもしれません。

訴訟手続きと管理組合の実態との乖離があるのでしょう

区分所有法はマンションの手続きを定めていますので対外的な行為は基本的に区分所有者で結成された管理組合の意思を尊重します。ですから被告として訴訟追行権を理事長に与えることも総会承認としたのです。ところが訴訟手続きでは期日がありその期日に反論しなければ原告の主張を認めたこととなり敗訴になります。訴状が届いて第一回期日まではおよそ1か月です。それまでに総会を開くことは事実上無理です。マンションの側で考えておくことになります。
                                        以上