管理組合法人について

1、管理組合法人のメリット

管理組合法人を設立することによるメリットについて言われることに、不動産を取得した時に登記が法人名義で可能であることや。契約を法人名義でできる事が挙げられます。
法人化が出来ていなければ、例えば土地を購入して登記をする場合には区分所有者全員で共有持分登記をしなければなりません。そのためには全員が登記申請をしなければなりません。司法書士に委任するにしても全員が司法書士に委任状を提出しなければなりませんし住民票の提出も必要でしょう。100戸のマンションでしたら100通の委任状などの書類が必要です。これはなかなか大変ですよ。

2、私が経験した事

もう30年くらい前になるでしょうか。30戸未満のマンションで分譲会社が購入者に移転忘れの土地があることに気付いた時、全区分所有者に持分の移転登記をすることの交渉をしたことがありました。小規模マンションでしたから全員から必要書類を貰う事が出来ました。もし法人化が出来ていれば苦労は無かったかも知れませんね。

3、では、法人化によって土地の取得が容易になったと言えるのでしょうか

さて、土地の取得が容易になると言っても二つの面があります。一つは対外的な面で売り手が売りやすく感じるかと言うことと、二つ目は対内的なことで組合での合意形成が容易になったのかという点です。対外的にはイメージは良いでしょう。買い手として話ができると言う事ですね。対内的にはどうでしょう。この点はについて私の考えを示します。皆さんはどう考えますか。

 例えば、駐車場用地として隣接する土地を管理組合で取得しようとした時にどのような手続きを取るのでしょうか。土地の購入は管理行為ではありませんので多数決議で購入は出来ないでしょう。つまり、土地を購入するとなれば基本的には全区分所有者の同意が必要だと思います。集会決議で全員賛成と言う事ですね。そして購入資金をどうするのかについても決議を取る必要がありますね。管理の問題でないとすると全員合意が必要ですね。ですから対内的には法人になったから容易になったとは言えないのです。
 
 法人化と言うイメージで土地の購入や対外的な契約も簡易に出来るのではないかという風に思いがちですが、管理が中心にある区分所有法で認められた法人ですので限度はあります。
要するに、登記が簡易に出来ると言う事がメリットであることに意義があると考えます。
以上