管理規約の容認事項について 

規約の最後についているもの

 必ずと言ってよいほど管理規約の最後に容認事項として10条前後の項目があります。その中身はおよそ重要事項説明に記載するようなものばかりです。近隣住民との関係や、行政機関との取り決めなどが多くあります。
余談ですが、昔分譲業者が未販売住戸の管理費を支払わなくともよいとする規約を設けていたことがありました。これも容認事項にあったのです。そんなケースの時は売買契約でも重要事項でも同様の事項が記載されていました。これを3点セットと呼んでいたのですが、3点あればその取り決めは有効だと裁判所は認めていました。
 本論に戻ります。
 規約事項という話は何度かしています。区分所有法で規約を制定できることになり、規約で決められることにも制約がありました。区分所有法30条には「建物又はその敷地もしくは付属施設の管理又は使用に関する区分所有者間の事項」と定めています。つまり区分所有者間の事項であることです。そうすると近隣住民や行政機関との事項を規約で定めることはできないし、定めたとしても規約としては無効なものになると思います。さらに建物などの管理使用でなければなりません。
先に述べました未販売住戸の管理費については、管理費の支払いは管理にとって最も重要な事項ですから当然規約事項になります。ですから規約の容認事項に記載して良いことになります。
規約事項であるか否かはその内容で判断することになります。

容認事項の改正は必要ですか

改正が必要かについては二つの見方があると思います。
一つは、規約事項として有効なものとして改正すること もう一つは規約事項としては無効でも条項として存在しますから規約から削除するために改正することを考える と言ったことではないでしょうか。いづれも改正ですから4分の3の多数決議をとっておきましょう。ここは形式論で行きましょう。

何故容認事項があるのか

これは事業主の都合でしかないと思います。組合が独自で規約を制定するときは容認事項はないでしょう。何について誰に対して容認するのでしょうか。規約は区分所有者間の取り決めですね。事業主は販売時の新規区分所有者だけではなく転売されたときの区分所有者に対しても拘束力を持たせたいと考えているのだと思いますが、その内容によっては意味のないことになります。

規約事項について認識してください

何度も言います。規約事項を認識してください。簡単に扱わないでください。既成事実に惑わされないでください。、