日本マンション学会 千葉大会のご報告 ・ 分科会の報告者としてさらに問題意識を持ちました。

千葉大会第3分科会の報告者として

4月23日に千葉大学工学部において開催されましたマンション7学会でこの3月に改正されて発表のありました標準管理規約の問題を契機にして管理規約のあり方について報告をし質疑応答をいたしました。その時に感じたことを話したいと思います。
その前に学会の参加者は大学の法学系、工学系の先生方、開発事業の関係者、マンションの役員、法律家 マンション管理士などの方々です。

改めて思ったことーその1-

標準管理規約を規範性のあるものと考えている人が多いこと
質問者からこんな質問があったのです。マンション管理士の試験に標準管理規約に関するものが出題され、標準管理規約の説明で正解はどれかといった質問があり答えが用意されていて受験生は標準管理規約を法律のように勉強することになるのが問題ではないか?というものでした。質問者の問題意識は標準管理規約を規範性のあるものつまり守らなければならないものと理解している人がマンション業界の中にも数多くいることだと思いました。
私も常日頃から標準管理規約はサンプルですからあくまでも参考ですよ。この通りやる必要はありませんよと言っていますが、まだ多くの人が守るべきものという認識を持っているというこです。
それだけに今回改正された内容でコミュニティ条項の削除についての問題は大きな波紋を広げたわけです。

その2

コミュニテイ条項の削除についての考え方として、マンションの再生のためにコミュニテイ条項が手続きの中で邪魔になるという発想があるという指摘がなされたことです。広く再生といえば建て替えや敷地売却からリモデリングまで幅が広いですが、現状のマンションを維持管理していくだけではないことになります。そうしますと、視点が違ってしまいます。国交省の視点が再生を考慮に入れているとすれば、コミュニイを大切にしようという団体や個人の視点にズレがあります。
ただし、コミュニティ条項を入れるのか入れないのかは個々のマンションで決めればよいということは分科会での確認ができたと思います。

その3

活発な質問が切り出され、私の報告の中で今後の規約としては独居老人などの関係で個人のプライバシー、専有部分の中に組合がどの程度かかわっていけるのかについて規約条項を検討すべきであろうと結んでいたことに関して、専有部分内の配管の劣化に伴う修繕を管理組合で実施してよいかどうかについて会場参加者から相反する意見が述べられることとなりました。要するに共用部分と専有部分の取り合いのところの問題点となるのです。専有部分は区分所有権の対象になるところであるので安易に管理組合の関与をみとめるべきではないのか、それとも条件付きで認めた方が実際によいのか?
この問題については私もさらに考えていこうと思います。

まとめ

久しぶりの学会でしたが、楽しい時間を過ごしました。
                                                                以上